The collection of short essays by Our President (Masaaki Okada)


「おばちゃんはプロ」
(今年1月16日夜、上野駅近くの焼き鳥屋にて)

 「いらっしゃいませ!あ、いつもどうも。」一人の男性客が店に入ってきた。中年 のおばちゃんが二人で切り盛りしているその店のカウンターの中央にいる私の目の前 は焼き鳥の焼台である。二人のうちやや年上の店のおばちゃんが焼台の前にいるもう 一人のおばちゃんに小声で
 「皮、五本焼いておいて・・・。」とささやくのが聞こえた。
 「いつものですか?」の年上のおばちゃの声に
 「・・・・・・・む・・・・いや。」とその客。
 「それじゃあ、今日は何にします?」と更におばちゃんが言う。
 しばらく考え込んだその客はしばらく間をおいて
 「う〜んと・・・・・今日は皮、五本焼いて。」と言いながらカウンターへ座った。
 その時にはすでに焼台の上では”皮”がジュージューと油をしたたらせて焼かれていたのだ。
 さすが、おばちゃん達。常連客は見抜かれているのだ。さすがプロ!見事。
 でも、もしかしてこの常連客も案外毎回のこのやりとりを楽しんでいたりして。

2001.2.12


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